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2011年 奨学生研修旅行レポート
「淡路景観園芸学校・大塚国際美術館・大鳴門橋遊歩道見学の旅」
2011年11月18日
Report
「淡路景観園芸学校・大塚国際美術館・大鳴門橋遊歩道見学の旅」に参加して
今年台風12号の影響で西村財団奨学生旅行が中止になったと思いきや、9月5日にはよい天気を迎え、そして、二日間をかけて、兵庫県淡路島に渡って、徳島の鳴門までの旅をしました。
一日目にはまず、兵庫県立淡路景観園芸学校を見学しました。緑を満喫しながら学校の先生や管理人の方に優しく案内してもらったため、皆さんがこの学校で勉強したいと思う気持ちになりました。昼ごはんは学校の「カフェテリア 風の詩」でお弁当をいただきました。この「カフェテリア 風の詩」は主にカフェテラスとカフェテリアという2つの施設で構成され、皆は天窓から降り注ぐ明るい太陽のもと、カフェテリアのシンボルで昼食を取りました。そして、淡路人形芝居を見学しました。その後、ホテルに到着し、夕食を食べながら、雰囲気を盛り上げるためカラオケで歌いました。その場で、奨学生の中の先輩と後輩の距離も縮んできました。
二日目はまず、「大塚国際美術館」を見学し、そして「大鳴門橋遊歩道」を渡って、日本の自然の素晴らしさ―「渦」を見ることができました。私が調べたところでは、渦ができるのは鳴門海峡での潮の流れが大洋の干満によって起こります。満ち潮は潮の流れが大阪湾に押し寄せ、鳴門海峡では播磨灘への西への流れになり、引き潮は大阪湾への東への流れとなる。ところが鳴門海峡は、幅が最狭部で3.6km、深度は約100mと狭く、海峡に潮が押し寄せると、最速7ノット(時速約13km/h)の凄まじい流れが走る。同時に狭い出口からあふれ出た海流は、水深20mのラインに沿って反転する渦を生じさせるからである。
淡路人形浄瑠璃・大塚国際美術館」—日本の自然の美しさと、日本人の「プロ精神」を感じる
この二日間の旅では日本の自然の美しさおよび素晴らしさを感じ、そして、日本人の独特な精神も感じさせられました、それは「プロ精神」だと思います。淡路人形浄瑠璃の演じることや「大塚国際美術館」の成功することからわかったのです。
まず、人形芝居から見ますと、中国でも人形芝居はありますが、日本とは違って、人形は小さいので、表情の変化や動作などは簡単で、一人で一体の人形を操ることができます。日本の人形芝居は一体の人形は3人で協力して操ります。3人の人形遣いが黒子を来て遣います。そして情感溢れる義太夫による浄瑠璃の語りとおもおもしく響く三昧線による伴奏とが相まって、500年の歴史しか持っていないけれども、人形の表情や動作などはとても豊かで、人間以上の喜怒哀楽のある舞台が生まれます。
私たちが見学したのは「傾城阿波鳴門順礼歌の段」でした。調べたところ、その物語の主な内容は阿波徳島の藩主玉木家のお家騒動で、忠義の家老桜井主繕が悪人小野田郡兵衛のために、主家の重宝国次の名刀を盗まれて困難しますが、藩臣十郎兵衛・お弓夫婦及び藤屋伊佐衛門らの艱難辛苦によって、悪人から再び名刀を取り返し、主家が再び安泰になるという物語です。
その日演じて下さったのはお弓が「神仏助け給え」と手を合わせているところへ、かわいい巡礼の詠歌が流れてくるところからの部分でした。
あまり可憐な少女なので、身の上話等を聞いてみると、この子こそは国許に残したわが娘お鶴です。預けておいた祖父母が死んだので、両親の行方を尋ね出そうとして巡礼の旅に出ているのでした。お弓は我が子愛しさ、可愛さに、その場で母と名のって抱きしめたい思いにかられますが、共に暮らすことができない境遇ですから名乗らない方が我が子のためと思い直し、何かといたわりの言葉をかけた後、涙とともに心を鬼にして別れますが、子を思う母の心はうずき、堪えかねて娘の後を追って駆け出すところで終わりました。
物語はもちろん非常に感動的でしたが、三昧線の伴奏や語っていた方が感情をこもって音調を変化させ、お弓の名乗りたくても、名乗れない切ない気持ちをとてもわかりやすく現し、観客を感動させたのではないかと私は思いました。
物語はもう終わりましたが、三昧線の音やお弓とお鶴を演じる方の歌い声はまだまだ私の耳元に響いています。なぜなのでしょう。ただの人形芝居にも関わらず、人形遣いの人にしても、三昧線を引く人にしても、歌うたう人にしても、いずれも全力を尽くし、みんなが協力して、演劇を完成させ、観客を感動させたのがその主な理由でしょうね。
それはいわゆる日本人の「プロ精神」でしょう。私の理解では、「プロ精神」とは、自分の従事している仕事、また、自分の当たっていることに専念して、責任を持って、全力をあげて最善になるように成し遂げる精神である。
そして、「大塚国際美術館」が成功したのもその「プロ精神」が働いているでしょう。「大塚国際美術館」中の陶板絵画はわずか6名の選定委員によって厳選された至宝の西洋名画1,000余点を大塚オーミ陶業株式会社の特殊技術によってオリジナル作品と同じ大きさに複製され、約2000年以上にわたってそのままの色と姿で残りますし、ピカソの子息や各国の美術館館長、館員の方々が来日されたおりには、美術館や作品に対して大きな賛同、賛辞を頂いたそうです。もし、当時美術館に関わる陶業の従業員が「プロ精神」を持っていなく、複製するとき、少し違っても、構わないという気持ちを持っていれば、今日の「大塚国際美術館」になることはなく、おそらく、名前自体が無くなるでしょう。
このように、日本人は小さいことでも全力をかけて、「プロ精神」を持って、やり尽くすと私は感じました。
二日間の旅は短かったけれども、みんなにとってはそれぞれに思い出になると思います。また、私にとっても一泊二日の旅は充実した旅でした。なぜかというと、留学生同士が交流することもできましたし、日本の自然の素晴らしさも感じさせてもらったからです。そして最も大切なのは日本人の「プロ精神」を感じることができ、これからの人生の中には大変役にたつと思うからです。このように、西村奨学財団にいい思い出を作っていただき、ありがとうございました。